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| タイトル | ： Re^3: 面白い書き込み |
| 投稿日 | ： 2005/10/01(Sat) 14:35 |
| 投稿者 | ： カーザヴェーチャ |
> その内容とは、
> 今、私はH.C.ROBBINS氏の著作しか読んでいませんが、
> One brother was banned from Venice in 1721.....
> Iseppo was banned for five years for wounding....
> この事を指していると思われます。
早速レスをいただきありがとうございます。
ご指摘の箇所にあるbanは「市内に入るのを禁止する」という意味で、
日本の昔で言えば「江戸払い」にあたり、「島流し」ではありません。
ただ、出典のH.C.Robbins Landon氏の"VIVALADI−VOICE OF THE BAROQUE−"は全体的に、
内容にあまり信憑性がないのが欠点です。イギリス的スキャンダル好みといいますか、
同じ執筆態度はPam Brown女史の"Antonio Vivaldi"にも見られます。
彼女の場合は全編ヴィヴァルディとその音楽に対する溢れんばかりの愛情に満ちている分、
ヴィヴァルディ・ファンとしては本当に残念です。二人とも「午後のお茶」の時間に、
信憑性のない話をいろいろ面白おかしく話すのも一興かも知れませんが、
その内容を入門書に載せるのは大きな問題だと思います。何しろ読者はいわゆるタブラ・ラーサなのですから。
> やはり、ちょっと、素行不良が気になって
おそらくそうした先入観は山添さんに限らず、ほとんどの方が大なり小なりに抱いているのでしょうが、
その知識の根源をたどって行くと、執筆者は労をいとって一次資料には直接あたらず、
当時の風評や偏見を針小棒大に誇張した揣摩憶測の再生産に過ぎない二次資料、
三次資料からの知識をかき集めたパスティッチョのような入門書などに行き当たります。
もちろん、本人の空想を際限なく膨らませるのは個人の勝手ですし、
そうした空想に裏打ちされた小説を書くのもまったく自由です。
私自身、ときどき「バッハ教徒」と揶揄しますが、ああいう神格化は大嫌いです。
相手がたとえ大好きなヴィヴァルディであっても。
ですから「素行不良」の証となる資料が発見されれば、それを隠すことはしません。
すぐに翻訳してサイトを通じて皆さんにお知らせします。
私も棒でたたいたらカ〜ンと鳴りそうな謹厳実直タイプの人間より、
多少素行不良な面がある人物のほうに惹かれますし。
イタリアにお住まいでしたら、私が参考文献にあげた本は簡単に入手できると思いますので、
ぜひ一読をお勧めいたします。面倒でしたら、Referncesの「出生から永遠の旅立ちまで」と
「アンナ・ジローの真相」をお読みください。ヴィヴァルディ研究家たちの研究成果に基づいて書きましたので。