あまり作曲されないと言う、ファゴットのための協奏曲を、
ヴィヴァルディは分かっているソロ・コンチェルトだけでも３７曲。
ある書物に、こんなにたくさん作曲したのは、おそらくピエタに、
とりわけファゴットの上手な生徒がいたからだろう。
と言うようなことが書かれてありました。
このファゴットという楽器は、ソロを演奏するにはちょっと地味で、
通奏低音にしては妙にコミカルな響きもあり、
なんとも中途半端な音色です。ヴィヴァルディはこの楽器に、
どんな印象を持っていたのでしょう。
もっと音の低いチェロでさえ、コンチェルトを作曲して活躍させているのだから、
うまい奏者が身近にいたのなら、
よし、これのコンチェルトを作ってみようか。と思ったのかもしれません。

比較的多くＣＤ化されていて耳にする機会の多い、
ＲＶ４８４とＲＶ４９８が、やはり特に印象に残ります。
彼一流の短調の物寂しい響きを聴かせてくれます。
ほかにもいくつか、これもなかないい、と思う曲もあるのですが、
まずは、話題作りと言うことで。

和高丸さん、こんにちは。
私もファゴットの朴訥とした音色、ひとなつっこい感じがして好きです。
ヴィヴァルディは間違いなく、史上もっともたくさんのファゴット協奏曲を書いた作曲家ですね。
彼にこれだけの数の協奏曲を書かせた奏者の名前がわかっていないのは、とてもミステリアス。
ASVに、ダニエル・スミスというファゴット奏者が全曲を録音していますね。
全５集ですが、私は１〜３集だけ持っています。
ところが今見てみると、おすすめのRV484と498が入っていません。
第４集か５集に入っているようです。これは残念・・・

バロック時代のソロのファゴットのためのの曲というのは、
あのなんでも屋さんのテレマンでさえ、ほとんど作曲したことがないのでは。彼のカタログhttp://alambix.uquebec.ca/musique//catal/telemann/telgp.html#Orchestre
で探してみたけれど、見つけられませんでした。
コンチェルトでは、ドイツの作曲家ファッシュとグラウプナーがカップリングされたＣＤが１枚、
Devienne とかいう作曲家のソナタのＣＤが１枚、見つけた程度です。
日陰の楽器なのでしょうか。なかなか面白い表情を持った楽器と思うのですが。

このダニエル・スミスのＣＤは、私も全部持っていなくて、
私が聴いたのはイムジチとイソリスティヴェネティです。
それにしても、新しいＣＤが出ませんね。
このダニエル・スミスにしても、ほかの２つにしても、もう１０年以上も前になります。
これらも、新録音が出ることを待望している曲です。

遅ればせながら・・・和高丸さんおすすめの（？）１曲、
RV４８４のCDが手に入りました。ダニエル・スミス独奏のものです（ASV DCA 751)。
冒頭から哀愁に満ちた旋律が魅力的ですね。
第２楽章も物悲しく、冬枯れの世界のよう。
第３楽章は「モオツァルト」ではないですが、「走る悲しみ」とでも呼びたい感じです。
いい曲ですね。気に入りました。
RV498も聴きたいんですが、さていつになるか・・・

ファゴットという楽器は聴きようによっては、なんだか滑稽な響きを持っていますが、
RV484のような短調の曲を聴いてみると、ヴァイオリンなどでは表現できない
不思議な世界を作り出ているように思っています。
「走る悲しみ」とは言い得て妙です。ちょうどＢＢＳ１で安奈さんがモーツァルトのことに言及していますが、
あのシンフォニー２５番など、モーツァルトにしては数少ない短調の曲で、
なんだか嵐の前の不穏な空気を表現していてすごく感動的です。

以前どなただったか、ファゴットはちょっと・・　と仰っていましたが、
こういった短調の曲をお聴きになってみては如何でしょう。
また新しいヴィヴァルディ・ワールドが見えてくると思います。

木曾さん、こんにちは。

> RV498も聴きたいんですが、さていつになるか・・・

RV498なら、DENON[COCQ-85221]（日本版の発売元は日本コロンビア）があります。
ソロはミラン・トゥルコヴィッチ、トゥッティはイタリア合奏団です。話題になったRV484も一緒に入っています。

カーザヴェーチャさん、ありがとうございます。
今度大きなCDショップに行ったら探してみることにします。