タイトル | : Re: 寺院・・ |
記事No | : 987 |
投稿日 | : 2005/03/26(Sat) 01:22 |
投稿者 | : カーザヴェーチャ |
はるかさん、はじめまして。「赤毛の司祭」へようこそ!
San Marcoはイタリア語、St.Markは英語で、ともに十二使徒の一人「聖マルコ」という意味です。 洗礼名はそれぞれの言語により形を変えますので、たとえばヴィヴァルディの洗礼名「アントニオ」は イタリア語とスペイン語はAntonio、フランス語はアントワーヌAntoine、ドイツ語はアントンAnton、そして英語はアンソニーAnthonyです。
旅行案内書をはじめ、「サンマルコ寺院」と訳しているものが結構あります。 イスラム(回教)寺院のような用例もありますが、「寺院」は本来仏教で用いる語なので、ちょっと奇異な感じがします。 そこで私などは、もともとのイタリア語、la(定冠詞)basilica(大聖堂)di(の)San(聖)Marcoそのままに、「サン・マルコ大聖堂」と訳しています。
東京には聖路加病院があります。これは同じく十二使徒のひとり聖ルカに漢字を当てたもので、 それにならって「聖丸子大聖堂」と訳しても良いのですが、日本人の間では聖人を指す場合以外は、 聖マルコよりもサン・マルコのほうで通っていますし、第一、川崎市民が面食らうでしょうから、「サン・マルコ大聖堂」と訳しています、 というのは冗談ですが、歴史の専門書などは「サン・マルコ大聖堂」としているようです。
追記:大聖堂を寺院とも呼んでいる例に、ウエストミンスター、セントポール、ノートルダムなどがありますね。 あと地名で有名なのに、アメリカのサン・フランシスコSan Franciscoがあります。ここは19世紀にメキシコから強奪した土地で、 セント・フランシスSt. Francisと英語化するだけの時間が流れなかったのか、もとのスペイン語がそのままの形で残っています。
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