祝祭日のための協奏曲集(CDX79605)の6曲目にRV.208があります。表記は"LDBV"("Grosso Mogul")これってどういう事なのでしょうか。メインタイトルの４文字については解説文が独、伊、英語で知識ないのでちんぷんかんぷんでしたが次の文章の頭文字を取っている様です。"LAUS DEO BEATAEQUE VIRGINI" 全く意味不明でお手上げです。それからRV.153収録のCDはブリリアントクラシックスを手配しました。原語がどうなっているのか楽しみです。

ラテン語の祈りの言葉、Laus deo beataque Virgini略してLDBVの意味は、「主と聖母アリアを讃えよ」という意味です。
RV208には、トリノ国立音楽大学図書館に伝わる、タイトルもカデンツァもない自筆譜と、同じくイタリアの
チヴィダーレ・デル・フリウリにある司教座聖堂参事会古文書館に伝わるタイトルなしでカデンツァ付きの筆写譜と、
ドイツのシュヴェリーンにあるメクレンブルク州立図書館に伝わるカデンツァ付きの筆写譜があり、このドイツ版に
Grosso Mogulという一見イタリア語のようなタイトルが付いています。つまり、この題名は作曲者ヴィヴァルディの
全く与り知らぬところで付けられたのです。

一見イタリア語に見えてイタリア語でないという事実からもヴィヴァルディが付けたのでないことは明らかですが、
この言葉が「ムガール大帝」という意味なら、イタリア語ではグラン・モゴールGran Mogolと言います。実際、2007年に
イギリスのエジンバラで発見されたフルート協奏曲RV431aのタイトルもGran Mogolです。ただし、フルート協奏曲の
ほうは、最晩年に作曲された一連の国名シリーズの１つなので、大帝よりも帝国自体を指すのだろうと考えられています。